講習会や現場の進捗
最近のご報告
先日、新住協の全国同一テーマ研修会が名古屋であったので参加してきました。
新住協の理事長である鎌田先生は「高性能な住宅(Q1.0住宅)をいかにローコストでつくるか」ということを実務者のレベルで検証されています。
・気流止めなどの断熱気密に重要な部材を利用して、省令準耐火をクリアする方法
・強度を確保したままどれだけ下地材を減らせるか
・外部付加断熱の下地固定ビスの長さをサイズダウンする方法まで
以外と特殊な長いビスって値が張るんです…相当な数量になるので余計に
ビスだけでは無くビスの下穴をあける施工要領や錐の種類まで!
専門的な内容なので建て主さんは知る必要の無いことですが、こういったことの積み重ねが住宅一軒にすると何十万〜百万前後の差になることは充分あり得ます。
特に建築工事費用の中で職人さんの人件費(人工(ニンク)と言います)は実は相当な割合を占めます。
業種によっては材料費より人工の方が高い工種もあるぐらい。
例えば、設計者が下地材と断熱材の施工を何となーーく「◯◯mmピッチ」と書いたとします。
工務店は図面に書かれた内容を守るのでその通りに材料を発注し施工をするのですが、材料には規格寸法があるので(尺モジュール(303mm刻み)が多いです)910×1820などの材料をカットして施工する訳ですね。
そこで仮に「350mm」の断熱材を入れる、というような図面の指示になっていた場合…
910mm幅の断熱材を二回カットして350mmを二枚取る(200mmちょっとの端材が出る)
継ぎ接ぎの材料を使う訳にいかないので200mm強(20%強)の材料を捨てる
これがもし「455mm」の断熱材を入れる、という図面の場合は…
910mm幅の断熱材を一回カットして454mm(ノコギリの刃分減ります)を二枚取る(端材無し)
という材料の無駄も無く、職人さんの手間も半分で済みます。
この職人さんの手間が半分で済むというのが実はかなり大きくて、工事も早く進み人工も少ない=施工費も少なくて済む。ということになるのです!
一枚に対して一回のカットも何百枚になれば何百回の作業になりますので。
「そんなの誰でも分かるじゃん、みんなそうしてよ」と思うところですが、建築は1つの工事が様々な他の工事と絡み合うので、そう簡単にいかないんですね…
その下地に対して留め付ける仕上げ材の幅によって下地材のピッチも制限されたり、それによって仕上がりの見た目に影響があったりもします。
ピッチが広がれば下地材の強度に関わりますし、じゃあ下地材の寸法も変える?そうするとまた間に入れる断熱材の寸法が変わる?など…
非常ーーーーに頭を悩ませながら施工方法を考え、図面に書き込みをし、見積もりの時にまた新たな問題(検討事項)が出てきたりして、悶絶したりしています(笑)
特に、僕たちのように「標準仕様」というものが無く、毎回色々な仕上げや施工方法などを取り入れる建築屋さんは同じように悩まれていると思います。
(それが少し楽しかったりもするんですが…笑)
標準仕様があれば、毎回同じ下地に同じ仕上げ材なので何も悩まずにいつも通りの見積もりに施工が出来ます。それがハウスメーカーさんやビルダーさんが標準仕様以外のことをしたがらない理由の一つです。
と、少し話しがそれていってしまいましたが、そういった実務者レベルで細かな部分まで検証した無駄の無い施工方法を提案する、というような講習になっているので参考になると思い参加するようにしています。
(使用ライセンス費が必要な特定メーカーの「◯◯工法」では無く、新住協は全て市販品で誰でも施工可能な内容であることも重要)
他にも書きたいこと(現場の進捗など)があったのですが、長くなってきましたので本日はここら辺で…
また後日に更新させていただきますm(_ _)m