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断熱材充填!!!

大羽根園では、工事前半戦の個人的ハイライト(?)断熱材の充填に取り掛かっています。

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今回の物件は「HGW16kg(高性能グラスウール16kg)」(袋なし)を充填します。

自宅を考えている方にとって断熱材って色々あるけど何が良いの?と悩まれている方は多いのでは無いでしょうか。

今回は、私の持ち得る知識で解説してみたいと思います!笑

 

 

まず、結論から言わせていただくと

「分かりません(^^ゞ」

 

 

と言うとさすがに怒られますよね…^^;
ただ、ふざけている訳でも嘘でもありません。

もう少し丁寧にご説明すると
「条件によるのでその疑問に明確な回答は出来ません」というべきでしょうか…。

 

 

 断熱材選定を選定する際の判断材料とは 

そもそも断熱材って何の為に入れるのでしょうか。

分かりきったことかもしれませんが、夏は暑く冬は寒い外部の温度を内部に伝えない為ですよね。

なるべく簡単に説明する為、熱の伝わり方の「伝導・対流・輻射(放射)」があり…というような専門的な内容は割愛します
(分かりやすい解説本がたくさん有りますので…)

 

熱を伝えない=断熱性能が高い断熱材を選ぶ必要があるということになると思います。

では「断熱性能が高い」とはどういうことなのでしょうか。

 

 

よく見かける数値(普通見ないか笑)で熱伝導率λ(ラムダ)という数値があり、これは材料の熱の伝わりやすさを表す値です。

 

木材やよく使う断熱材のλの値を上げると、

木材:0.12W/m・K
発砲スチロール:0.040W/m・K
高性能GW16kg:0.038W/m・K
某フェノールフォーム保温板:0.019W/m・K
数値が低い方が性能が高い(熱を伝えにくい)

 

「なんやそんな数値があるならそれ比べたら一発やんけ!
フェノールなんちゃらの方がGWより性能はや!
うちの断熱はそれにしといてや!」

 

 

と考えるのはまだ時期尚早というものですよ。

 

 

と言うのも、熱伝導率という数値とは別で熱抵抗値Rという数値がございます。これは材料の熱の伝わりにくさを表す値です。伝わりやすさより、伝わりにくさの方が断熱性能に関係ありそうですね。

 

熱伝導率λは材料毎に一定の数値ですが、熱抵抗値Rは材料の厚みを熱伝導率λで割った数値になります。

 

つまり「10mm厚GW」「100mm厚GW」の熱伝導率は定数なので同じですが、熱抵抗値は100mmの方が10倍高い!ということです。

 厚み      GW λ
0.01÷0.038=0.263
↓10倍              ↓10倍
  0.1÷0.038=2.63

(厚みはm換算なので100mm=0.1)

 

熱の伝わりやすさλも重要ですが、厚みが関係する熱の伝わりにくさRが実際の断熱性能と言えるのではないでしょうか。

 

 

極端な例を出すと、

Q.真夏のアスファルトの上を裸足で歩く必要に迫られています。
次の2つのどちらかを敷いて渡ることが出来る場合、どちらの上を渡りますか?

A.熱伝導率が低い(性能高)発砲スチロール厚み5mm
B.熱伝導率は高い(性能低)木材だけど厚み30cm
5mmの発砲スチロールなんて乗ったら潰れてアスファルトに足が直で付く、などの冷静な分析は今は不要です。

 

Aだとゆっくり歩いているとすぐ熱が伝わって熱くなってきそうです。必死に駆け抜け無いといけませんね。

Bであれば、無垢の木材の柔らかい肌触りを足の裏で感じながら、悠々と歩くことが出来ることでしょう。

熱抵抗値Rで言うと5mmの発砲スチロールは
0.005÷0.040=0.125

30cm木材は
0.3÷0.12=2.5
(100mmのHGW16Kと同じぐらいの熱抵抗値ですね)

 

 

いくら熱伝導率が低く、高性能であったとしても厚み次第で断熱材の性能としては逆転することも有る。ということです。

 

 

と、言うことは!

HGW16K(100mm)   0.10÷0.038=2.63
某フェノール板(50mm)  0.05÷0.019=2.63

上記のようにいくらフェノールフォームの熱伝導率が低いとはいえ、GWを倍の厚みにすれば同じ断熱性能になる!ということです。

 

 

 

 コスト(費用)の問題 

「それにしても倍の厚み入れるなんて贅沢!高くなる!」と思われるかもしれません。

ところがどっこい!商品にもよりますが上記にあげたHGW16K100mmと某フェノールフォーム50mmの材料費だけを比べれば、おそらくHGWの方が半額以下で購入出来ます。倍の厚みにも関わらず、です。

 

その他にも施工にかかる時間(手間)や防湿層の施工など、断熱材に付随してコストに関係する様々な要素はあるものの、一般に普及しているHGW16K100mmと同じ熱抵抗値をその他の断熱材で設定したとすると、HGWよりもコストは割高になると思います。(選ぶ断熱材によっては大幅に上がる)

 

「最高の断熱性能!熱伝導率0.019の◯◯◯ボード外張り断熱!!」と聞くと、いかにも相当な高断熱住宅のように思えますが、よくよく内容を確認をすると厚みが30mmしか無い…なんてことではHGW60mm相当などという非常に貧弱な断熱性能だった!?てなことにもなりかねません。(実際そのような仕様の会社さんもあります)

 

 

建築会社の方から断熱材のお話しをされた際は、断熱材の種類だけでは無く
「ところでその仕様で熱抵抗値Rはおいくつなのかしら?」と聞いてみるのも良いかもしれませんね。
(口調は変えることをお勧めしますが^^;)

 

 

 

 断熱材のベストチョイスはGW!!? 

ここまでの内容であれば、「最初からGWが安くて一番って言ってよ…」と思うかもしれません。

ただ、それがそう単純でも無いのが難しいところなんです…。

 

 

 

文章や数字ばかりですみません(^^ゞ

少し長くなってきたので続きは次回!とさせていただきますm(_ _)m

 

※告知です

今回は住まい手のご厚意により、断熱施工と防湿気密シート施工が終わった状態で構造/断熱/気密の工事状況が見られる現場見学を3月後半頃に予定しています。

実際に住まわれるお宅であり、駐車場の都合も有りますので完全予約制で時間を調整してご案内させていただきます。

中々見かけない内容(構造・断熱気密とも)になっていますので、この機会に是非ご覧いただきたいと思います。

現在計画を進行中の方やご相談いただいている方を優先してご案内させていただく予定をしており、既に複数組ご案内予定ですので、新規でご見学をご希望の方はお早めにご連絡いただけますと幸いです。

 

構造などのコダワリはこちらの過去記事をご覧ください
大羽根園の家2(仮称)過去記事

 

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