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2021年の振り返り


こちらの更新はご無沙汰してしまっております。
例のごとく昨日で会社としては仕事納め、
本日は諸々の業務の積み残しを片付けつつ
「積み残してあるもの全部は終わらせれないなぁ…
予想通りではあるものの…」という
いつもと同じ状況で進歩がない人間です。

とは言え、実は今年は今まで一番多くの物件を
完成引渡しさせていただきました。
(お待ちいただいている方々から
「嘘つけーうちは全然進んでいないぞーー」
と声が聞こえてきそう)

 

それでもそれは紛うことなき事実でありまして、
これも偏に共に建築に取り組んでいただいている
スタッフ、職人さん、業者さん、
そして理解あるクライアントの皆様のお陰ですm(_ _)m




やらなければと思い続けていた竣工写真撮影も、
何件かは撮影できました。
ただしまだ何件も出来ていませんが…(^^;ゞ
千里の道も一歩から

 

うちの設計事務所/建築会社としての
強みというか自慢は
素材や商品の独自性などでは無く、
どこよりもお値打ちな価格面でも無ければ
職人さん達の圧倒的な技術や知識でも無いですし、
高いホスピタリティも無く…
ましてや私の技術やセンスなんかでは当然無い訳です。

他の建築会社さんより、
少しは良い部分が有るとすれば
建築に関わる人の人間性の良さだと思っています。

私より知識やセンスの良い設計者さんはごまんといますし
うちの職人さんより技術の面だけ比べれば、
技術が高い職人さんもたくさんいると思います。

でも、うちの建築に携わってもらっている方で
「自分が少しでも高いお金を得られて、
自分に何か実害が無ければそれで良い」
と考えている人間はいないと言い切れます。

 

 

僕が25歳ぐらいの頃かな?
まだその会社の現場監督の立場になったばかりの頃、
先輩の付き添いで同行していたような時期に
初対面の水道屋さんが
「こんな作り方じゃ将来水漏れすると思うけどなー
その時には直せないよ。まぁ10年はもつやろうし、
俺はその時には引退してるからええんやけど」
と言われました。

めちゃくちゃ驚いたのですが、
既に出来上がってコンクリートで固まっていましたし
どういう経緯でそういった施工方法になったのか、
新人の僕には理解も意見も出来なかったのですが、
その時の衝撃は今でもハッキリ覚えています。

この話しを聞くと
「何て職人だ!プロとしてあり得ない水道屋だ!!」
と皆さん思われるかもしれません。

確かに僕も
「ちゃんとプロとして納得出来る施工になるまで闘えよ!!」
とは思います。
でも水道屋さんだけが悪いかというと、
決してそうでも無いよな…と今は思います。

その水道配管方法は
当然その水道屋さんが勝手に決めた訳ではなく
図面通りか、図面で指定されていなければ
現場監督との打ち合わせで決まったはずです。

その施工方法で問題が起こる可能性が高かったとして、
意識の高い職人さんであれば
施工方法を変更してもらうよう意見するでしょう。

でも意見したら変わるかと言うと
必ずしもそうでは無く、
その水道屋さんに依頼している
建築会社の考えや現場監督の考えもありますし、
他の施工方法では費用が跳ね上がるかもしれません。
もしかしたら初めは違う内容だったけど、
クライアントから減額の要請が有って
変更していたのかもしれません。

また安全にしようと思うと
設計者が実現させたい意匠性が崩れたり、
実用的に要望を叶えようと思うと
この施工方法しかなかったのかも…等、
その結果に辿り着くまでに
たくさんの事情が絡んで出来上がった結果な訳で、
水道屋さん1人の責任にしてしまうのは
フェアじゃないと思います。

それにしても、
問題が起こらないようなセーフティラインを
守った上で検討してよ!
って思いますよね。
それも中々判断は難しく、
人によって価値観が違うので
絶対的な正解って無いと思います。

 

安全に作ろうとしたら何十万円も高くなるなら、
運が良ければ漏れなくて安い方で良い!
という人もいるかもしれません。

水道以外についても
例えば板の厚みが20mmだとちょっとたわみが
出るかもしれないけど、薄い方が綺麗だから薄くして。
という人もいれば
たわむのなんて嫌だから30mmが良い!という人もいるし。

耐震等級3は絶対!という人もいれば、
そこに壁が出来るぐらいなら等級2で良い。
という人もいるかもしれません。

その物差しって人によって違うので、
あなたの当然はあなた以外の当然とは違うかもしれない、
というか全部ピッタリ意見が合うことの方が
かなり可能性は低いでしょう。
建築って作る側の裁量に委ねられてしまう
部分が大きいものだと思います。

 

車だと安全に対して厳格な基準が有り、
「予算が無いからブレーキの効き悪いけど予算に合わせて作りました〜」
ってことは恐らく無いですよね(^^;

建築に関して言うと
耐震偽造の姉歯事件なんかは、正に予算下げる為にブレーキ甘くした感じですね…。

 

 

いつも通り話しがあっちこっちいって
長くなってきてしまいましたが…(^^;ゞ

 

何が言いたいかと言うと、
これからも真面目に建築をつくっていきたいと思います。
先ほども書きましたが
私達は日本一の技術や知識やセンスを持ち合わせた
スーパーマンの集まりではありません。

自分のことを振り返っても、
ミスはするし物忘れも多いし
「もっとこうすればもっと良かったのに」
と日々反省することだらけですが
今の自分の出来る中での
最善を尽くせるよう努力していきたいと思っています。
そして、同じように考えている人間が
集まってくれていると思います。

人間が無垢の素材を扱ってつくるものなので、
ミスや想定外のことはどうしても無くせませんが
このメンバーなら起こってしまったことに
前向きに対応してくれると思います。

 

そのようなメンバーと仕事が出来ていることに感謝しつつ、
そのチームでどんな建築をつくっていくかの
舵取り役が私の役目です。

様々な面から建築を学び、
より良いものがつくれるよう日々研鑽を
重ねていきたいと思っています。

そして作り手側の人達にも
「やりがいのある仕事ができ、正当な対価がもらえて有難い」と
思ってもらいながら仕事に向き合ってもらえるようにしていきたいです。
不当に安い費用で完成したとしても、
それはきっと長い目で見たら依頼者の為にもなりません。

クライアントも含めた全員でチームとなり、
同じ方向を向いて良い建築をつくっていきたいと思います。

 

何を書くか考えずに書き始めたらこのような内容になりました(^^;ゞ

取り留めもなく書き続けていると
話しが長くなり終わらないので、
積み残しの仕事の中から
これは置いておく訳にはいかないな、という

「設計をしかけているのに年末の竣工ラッシュに押され
打ち合わせ日程が延びてしまっている方々への
お詫びのご連絡」
をして、年内の業務は終えたいと思います。

 

 

今年も一年、
楽しくやりがいのある建築に携わらせていただきありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
良いお正月休みをお迎えください。


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